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デモパート制作こぼれ話(6)3Dモデルのみのデモ
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-30 11:38:24]

デモパート制作こぼれ話、第6回目は「3Dモデルのみのデモ」制作にまつわるエピソードをご紹介します。

3Dモデルだけで完結するならば、ゲーム制作サイドのみで作業を進めていくこともできなくはないのですが、今回はサンライズさんとがっちり共同作業で開発を進めていたので、ここでもアニメーターさんにご尽力頂き、3Dモデルのモビルスーツ同士の戦闘などのデモシーンに関してもコンテを作成、それに沿って制作することにしました。

コンテを描いて頂いたのは、「ターンエーガンダム」のメカニック設定や「装甲騎兵ボトムズ ペールゼンファイルズ」などでメカニック作画監督を務められた重田敦司さんです。では重田さんの手によるコンテ「イフリート・ナハト対ジム戦」をまずはご覧ください。

コンテの段階では、ジム・コマンドとの戦闘を想定していましたが、「ファントムスイープ」隊との混同を避けるため、製品版ではジムに変更しています。


手前から奥へとダイナミックに回り込み、敵を狙うイフリート・ナハト。




別の機体が援護に駆けつけますが…


イスリート・ナハトの放ったクナイがその手を離れた刹那…


ジムのメインカメラを破壊、仰け反りながらも反撃を試みるジムに…


イフリート・ナハトが猛然と突撃、逆手に持ったクナイを今度は…


直接ジムの腹部に突き刺し、一気に斬り裂きます!


倒れ込むジムの背後から次の機体が反撃するも、


まるで忍者の如く俊敏な動きでナハトの投げたクナイが…


今度は銃器を無力化。


さらにブレードを抜き…




手負いのジムに猛然と迫るナハト!


手前の1機に斬りつけた後、その反動を利用しつつ機体を踏みつけて


さらに奥のジムへ。


たまらずシールドによる防御を試みるも…


機体にひねりをきかせた回し蹴りでシールドをはじき…


回し蹴りの体勢から流れるような動きでブレードがジムにめり込む!








一瞬のうちに3機を撃破するイフリート・ナハト。その脅威の機動性!


別紙では平面上におけるイフリート・ナハトの動きの軌跡が参考用に記述されていたりも。


…といった感じで、紙の状態のコンテでも戦闘の臨場感がびしびし伝わってくるのですが、最終的にこのシーンは、全編3Dモデルとそのモーションで構成するデモとなります。

そこで、手描きならではの動きのタメやメリハリなどが3D化した場合でも十分に表現できるよう、重田さんに描いて頂いたコンテを元に改めてラフ原画を起こしていただき、それをムービー化、実際の動きのイメージをゲーム開発サイドで共有するという手順を踏むことにしました。それが以下のムービーです。

ラフ原画化の時点で、ジム・コマンドをジムに変更することが決定していたため、重田さんには急遽その箇所を修正して頂きつつ、ムービーは敵がジムのバージョンとなっています。
(ムービーは前述のコンテでいうところの前半部分のみとなっています)



いかがでしょうか。製品版ではさらに細かい調整やエフェクトなどを組み込んで迫力の映像に仕上がっています。アニメの現場で培われた手描きコンテならではの躍動感、そして3Dならではのリアルな実在感など、アニメとゲームのよいところが融合したデモとして楽しんで頂ければと思います。




デモパート制作こぼれ話(5)2Dアニメと3Dデモとの合成(2)ラフムービー
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-29 12:23:07]

デモパート制作こぼれ話も5回目となりました。前回はコンテの中の1カットに着目してご紹介しましたが、今回は「2Dアニメと3Dモデルの合成」デモを、もう少し長い尺で、かつ動画なども交えつつご紹介したいと思います。

紹介素材は、ジオン編で序盤に登場する「イフリート奪還デモ」です。まずはコンテからご覧ください。

終戦後、連邦軍がジオン軍から接収した新型機「イフリート・ナハト」の起動試験に乗じて、連邦軍から鹵獲(ろかく)したジムでエリクが基地に潜入、奪還を図る、というのがおおまかな流れです。



前ページから続く2カット目、ジムは3Dのモデル、それにかぶさる形でフレームインしてくるエリクは2Dアニメになっています。ここでも、コックピット内のエリクの目線とジムの顔の向きを合わせて芝居させるなど、演出の遠藤さんによる細かな指定がなされています。














カット20〜22にかけて、イフリートを起動すべく操作をするエリクの映像に重ねて、他のメンバーが同時進行で作戦遂行中であることを示すセリフが付記されています。




カット23、奪われていくイフリートを苦しげに見る連邦兵。イフリートはスラスターを全開にし、格納庫から漆黒の闇の中へと去っていきます。









…と、コンテで映像の流れを把握しつつ打ち合わせを進めるのは以前にも話した通りなのですが、サンライズさん、ゲーム開発サイド双方でカットの繋がりのイメージをより共有するために、このシーンに限らずラフムービーを制作したりもしています。以下にご紹介しますのでご覧ください。



なお、ここに掲載したコンテは決定稿に近いものですが、ラフムービーはそれより若干古い状態のコンテを元に制作したものなので、製品版と比べて、

・カット10のジムのヘッドバルカンの表現が、マズルフラッシュ(銃器を発砲する際に銃口からもれる閃光)のみを強調し火線を省略している。
・カット13、エリクがジムから降りる際のカメラ位置やその後の演出が異なる。
・イフリートに乗り込んだ後のエリクの描写がまだ入っていない。
・イフリートのモデルが仮モデルになっている。

など、差異がたくさんあります。そのあたりを見比べてみるのも面白いかもしれません。

このラフムービーを元に、各カットの完成度を高める作業を進めていくのですが、せっかくのこぼれ話なのでその途中バージョンのムービーもご紹介しようと思います。前述のコンテのうち、カット13、カット14、カット15の制作途中をムービー化しましたので併せてご覧ください。







さて次回は、「3Dモデルのみ」のデモシーンの制作こぼれ話をお届けする予定です。3D表現はゲームの得意とするところなのですが、実はここでもサンライズさんとのやりとりが活かされたりしています。お楽しみに!




デモパート制作こぼれ話(4)2Dアニメと3Dモデルとの合成
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-28 12:36:53]

前回はコンテ作成に関するこぼれ話をご紹介しましたが、今回はコンテから実際のデモシーンの1カットを選択、「2Dアニメと3Dモデルとの合成」によるカットが完成するまでの流れを簡単にご紹介したいと思います。

今回の「機動戦士ガンダム戦記」のデモシーンが少々特殊なのは、コンテに描かれたカットごとに、「2Dアニメのみ」、「2Dアニメと3Dモデルの合成」、「3Dモデルのみ」などのバリエーションがあるということなんです。

その中でも、今回ほど多くの「2Dアニメと3Dモデルの合成」を制作した例は過去のガンダムゲームにはなかったため、アニメ制作のサンライズさんゲーム制作サイドとの間で、制作工程に関して綿密な打ち合わせを行ないながら進めることになりました。

では、「こぼれ話(3)コンテ作成」でご紹介した、連邦編オープニングのカット8(下のコンテ赤枠部分)がどのような手順で制作されたのか、順を追って見ていきたく思います。



コンテを見つつ、カット8のイメージを固めるため、まずはサンライズさんの方でレイアウトを作成して頂きました。それが下の画像です。コンテではヒューは手のひらの上に立っている状態でしたが、ユーグとの芝居の絡みなどから、座った姿勢に変更しています。



このレイアウトを元に、ゲーム開発サイドではヒューが座ることになるジム・コマンドの手先部分を3Dモデルで制作します。



制作した3Dモデルを出力したものに前述の手書きのレイアウト重ね合わせ、合成した際のアタリをつけていきます。



ところでこの場面、コンテでは座っているヒューの手前にジム・コマンドのコックピットが合成され、「コックピットなめ、手のひらの上で座るヒュー」というカットになっています。
そのため、ジム・コマンドのコックピットのレイアウトも別途作成します。コックピット内のサブモニターなど、後ほど別映像を合成する箇所はオレンジの斜線で指定され、アニメーターさんとゲーム開発サイドでの情報のやりとりがなされています。



コックピットのレイアウトに問題がなければ、線を整理し、アニメーターさんが原画として仕上げます。それが以下の画像です。3Dとの合成も考慮し、不自然なパースとならないよう、非常に気を使って作画して頂きました。



出来上がった原画を元に、今度は動画を作成していきます。それが以下の画像です。



ヒューに対しても正確な原画が起こされ、また色指定などもなされました。ヒューの右側に細かく書かれているのが色指定です。



ヒューの原画が決まったら、線を整理し、コックピットの場合と同様、動画となっていきます。



サブモニター上のレーダー画像など、別途作成したものも含め、最終的に全ての素材が合成されたのが下の画像です。



また、各キャラクターの決定稿が仕上がるに従い、影指定なども行ないます。これは、決定稿の線画のどこに影をつけるかを指定したもので、以下の画像で色のついている部分が影を入れる箇所になります。













カット合成に関するこぼれ話、いかがだったでしょうか。このカット以外にも、デモシーンの色んな箇所で同様の工夫をこらして制作していますので、ぜひ見てみてくださいね。




デモパート制作こぼれ話(3)コンテ作成
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-24 13:38:34]
キャラクター設定が進むにつれ、ゲームに組み込む各種デモムービーのコンテ制作も進んでいきます。デモムービーコンテなど演出をを担当して頂いたのは、OVA「FREEDOM」などで演出を担当された遠藤広隆さんです。そこで、今回は遠藤さんが手がけた実際のコンテをご紹介したく思います。

「機動戦士ガンダム戦記」には相当量のデモムービーが収録されていますが、年末に新規にプレイされる方々にネタばれにならない範囲ということで、今回は連邦編、ジオン編ともにゲーム開始直後のデモムービーコンテを一挙公開です。
(開発途中のコンテですので、製品版とは一部カットの内容や尺数が異なる場合があります)

●連邦編
連邦編は冒頭、砂漠のシーンから始まります。


3Dマップを背景に使用しているため、実際のコンテ割りに加え、カメラ位置などの指定が入る場合もあります。








カット6からカット8、振り返るユーグと、モビルスーツの手のひらの上でそれに応えるヒューですが、このコンテ段階でキャラ=セル作画背景及びモビルスーツ=3Dモデルという方向性が決定していました。そのため、アニメを制作されたサンライズさんとゲーム制作現場の間では、2Dセルアニメと3D背景を違和感無く合成するために入念な打ち合わせが重ねられることになりました。




ヒューが2番機に乗り込むカット12、実際の製品ではその後、HD品質の画質に耐える細かい芝居がつけられることになります。








●ジオン編




連邦編の場合と同様、カット4のアイロスの向こうに広がる背景は3Dモデルによる合成になっています。


カット8、製品版ではザクI・エリク仕様ですが、この時点では仮にザクIIとして描かれています。










カット17、手のひらのペンダントは実はまだデザイン詳細が決まっていませんでした。




実際のコンテ、いかがだったでしょうか。これが最終的にどのような映像になったのかは製品版のデモシーンでぜひ確かめてみてください。次回は、デモシーンの大きな特徴にもなっている「2Dアニメと3Dモデルとの合成」に関するこぼれ話を予定しています。お楽しみに!







デモパート制作こぼれ話(2)キャラクター初期設定「インビジブル・ナイツ」
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-22 16:35:06]

前回に引き続きキャラクターの初期設定画稿をご紹介します。今回はジオン軍「インビジブル・ナイツ」の面々です。

●エリク・ブランケ
ジオン名家の出身というエリク。「信念を持って生きる騎士(ナイト)」のようなイメージでキャラクター固めを進めていきました。下の画稿は最初期のエリクのラフで、決定稿と比べ甘い顔立ちでやや子供っぽい印象からキャラクター設定がスタートしました。


前述のラフを元にすり合わせを行ない、強い意思で作戦を遂行する若き隊長、というイメージで精悍さを加味しつつ調整していったのが下の画稿です。とはいえ、邪(よこしま)な野心で行動するキャラではないので、強い意思の中にも清廉な野心や気品が醸し出されるような感じ、という難しいオーダーで鈴木さんにはご苦労をかけました。



●アイロス・バーデ
エリクとは幼馴染、部隊の中では部下にあたるアイロス。常に冷静沈着頭の回転が早く、隊長としてのエリクに忠誠を誓い、自分はでしゃばりすぎずに作戦遂行に尽力する、という「男前」なキャラクターです。知性も感じさせつつ、「必要とあらば自分がいつでも隊長の盾になる」という覚悟も醸し出されるよう、エリクより大柄な体格のキャラとなっています。決定稿と比べ、輪郭などがややふっくらした印象の最初期ラフです。



●フリッツ・バウアー
アイロス同様、エリクの幼馴染であり部下であるフリッツ。性格的には感情的になりやすいが、その分思い切りのよさや度胸も併せ持っている、という設定で、冷静沈着なアイロスとの対比を狙ったキャラクターとなっています。また生粋のスペースノイドなので、髪型や髪色に地球のそれとは違ったイメージを持たせようという案が鈴木さんから提案され、初期画稿段階から加味されています。



●フィリーネ・イステル
敗戦による人員不足で、連邦に比べ年齢層が若いジオンの部隊ですが、その中でも最も若く実戦慣れしていないにも関わらず、健気に管制官を務める女性。それがフィリーネの作品中での位置づけです。シナリオモードでは連邦、ジオン両側面を楽しめる構造になっていることから、厳しさと女っぽさを併せ持つ連邦側のマオとは対極の、前向きな努力家でかわいらしい女性、というイメージで描いています。そばかすも初期画稿の頃から描かれており、彼女の若さを象徴する特長にもなっています。
アフレコの際も、序盤から中盤にかけては不慣れでいっぱいいっぱいな感じ後半から終盤にかけては実戦の中で彼女なりの成長を遂げた感じのニュアンスで、フィリーネ役の藤村歩さんに演じていただきました。



●クリスト・デーア
エリクとは兄弟同様の付き合いであり、メカニックマンとして部隊を支える面倒見のよい部隊の兄貴分的存在、それがクリストです。初期画稿では少々多かった無精ひげを、決定稿ではやや少なめにするなどしてすっきりさせています。



●オットー・アイヒマン
最後の一兵になっても戦い続けるという信念を持った生粋のシオン軍人で、連邦のゴドウィンとはまた違った、「一歩も引かぬ強い意志」が感じられるようなキャラクターを目指して描いて頂きました。職業軍人という立ち位置が明確なせいか、オットーも初期画稿から大きく変更のなかったキャラと言えます。



●ヒルデ・ニーチェ
気が強く、弱音も吐かず負けず嫌い、そんな若き女性兵士。それがヒルデです。戦いに明け暮れる毎日、長髪を無造作に束ねた感じのヘアスタイルでパイロットスーツに身を包むことが日常となっている彼女ですが、平和な時代に生まれていれば相当凛々しい美人で魅力的な女性。そんなイメージで描かれた初期画稿です。



●グスタ・エーベル
若いながら言葉遣いや立ち振る舞いはしっかりしているエリクの軍学校時代の後輩という位置づけのグスタ。下の初期画稿では僅かに面長に見えますが、決定稿では等身的にもエリクより小柄にし、少々かわいらしさが感じられるようなイメージにしています。



●ロルフ・アーレンス
ドイツ系の血を引く、という最初期設定のせいか、初期画稿では異国情緒の感じられる顔立ちのロルフですが、グスタ同様、軍学校時代にエリクの後輩として行動をともにし、エリクに心酔しているという立ち位置と、真面目で任務に忠実という性格を強調するため、決定稿ではさわやかな印象の顔立ちになっています。



ちなみに各キャラクターの等身は以下のようになっています。若き獅子のようなエリクを左右から支える長身のアイロスとフリッツ、プレイヤーに対し強い口調で指揮するものの、実はシェリーよりやや小柄なマオ(但しスリーサイズは別)など、各キャラクターの関係性(及びプレイヤーと関わり)がより活きるよう、等身設定にもゲームならではの気配りをしています。


さて、両軍のキャラクター紹介に続いて、次回はデモパートのコンテ作成に関するこぼれ話をご紹介予定です。お楽しみに!




デモパート制作こぼれ話(1)キャラクター初期設定「ファントムスイープ」
[デモパート制作こぼれ話] / [2009-12-21 13:44:18]

早いものでもう師走、「機動戦士ガンダム戦記」も、発売から3ヶ月近くがあっという間に経ってしまいました。

シナリオモードをクリアし、オンラインで協力プレイをお楽しみ頂いている方、自分なりのカスタマイズを追求されている方、各種トロフィーのコンプリートを達成した兵(つわもの)まで、様々なプレイヤーの方々にプレイされているようです。

その一方で、年末のお休みを前に最近製品を購入し、シナリオモードに取り掛かっている方などもおられるようなので、今回はシナリオモードに関連し、特にキャラクターやデモムービー関連のこぼれ話をお届けしていきたいと思います。

そんなわけで今回は登場キャラクターたちの初期設定画稿をちょこっとご紹介いたします。まずは連邦軍「ファントムスイープ」の面々から。

●ユーグ・クーロ
これは最初期のユーグのラフ画です。眉や瞳の大きさなど、決定稿とは大きく異なっています。


これはゲーム内におけるユーグの立ち位置などをすり合わせつつ、並行してラフをブラッシュアップした画稿です。連邦軍側主人公には珍しい年齢の高い主人公ということで、決定稿よりややがっしりした感じの男くさい印象になっていました。


これは上の画稿とほぼ変わりませんが、上段中央などの画稿から、あごまわりのラインを細くして、やや優男風の調整を試行錯誤していた頃ですね。


さらに「端整な顔立ちだが陰がある」というイメージを目指して調整を重ねたのが下の画稿です。このように各キャラとも何回かのトライアルを経て決定稿へと近づいていきます。ちなみに今回のキャラクターデザインを担当されたのは、劇場版「機動戦士Zガンダム」の原画や作画監督補佐をされた鈴木竜也さんです。



●シェリー・アリスン
初期のシェリーは決定稿のものよりかなりグラマラスな体型で、ある意味「マオと同サイズかそれ以上」でしたが、他のキャラクターとのバランスや、シナリオ上の役割などから、決定稿では少しスレンダーな感じに調整しています。これは最初期のシェリーのラフ画です。


前述のシェリーのボディラインを調整、さらに髪の長さなども微妙に修正した、比較的初期のシェリーです。


シェリーはシナリオの重要なパートを担うキャラでもあるため、髪型なども試行錯誤が重ねられました。知的な感じのニュアンスも加味したい、という理由で、決定稿ではおでこを露出するような髪型になっています。
下の画稿は前髪を下ろし、やや外ハネの強い感じの髪型のシェリー初期案です。髪型が違うため、全身像も決定稿とはやや違った印象に見えます。





●ヒュー・カーター
軍規違反者として特務部隊に送り込まれてきた皮肉屋、という設定から、初期のヒューははねっ返り気味のキャラとして描かれています。



●マオ・リャン
輪郭のラインなどに僅かに違いが見られるものの、初期からイメージが最もブレなかったのがこのマオです。連邦側指揮官兼オペレーターとして、正規軍人としての厳しさと女性っぽさとの両方を併せ持つというキャラクターを狙っています。「状況をクリーンにしろ!」という彼女独特の口調も、キャラクターをブラッシュアップしていく過程で生まれていきました。



●ボブ・ロック
彼のみ本作が初登場ではなく、ドリームキャスト用ソフトとして発売された「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」に登場したキャラをリファインしています。とはいえ、前線での任務の過酷さからか、髪に白いものが目立つようになりました。決定稿ではもうすこし気さくさが感じられるものになっています。



●ゴドウィン・ダレル
彼も初期設定からイメージのブレが少なかったキャラの1人で、職業軍人としての威厳を感じさせるキャラとなっています。


ちなみに、マオ、ゴドウィンの最初期のラフ画が以下のものです。やはり決定稿との差が少ないキャラといえると思います。



●ロブ・ハートレイ
出世欲などとは無縁の万年中尉、殺伐とした戦場に何かしら肩の力の抜けた感じを醸し出してくれるよう、大柄、ひげ面、しかし優しそうな顔立ち、という感じの飄々とした不良中年キャラになりました。



●カマル・クマル
いたって真面目で手を抜くことを知らない若い補充兵、融通が利かない一面も、という設定で起こされた初期画稿です。このうち真面目で真っ直ぐ、という部分を重視して顔立ちを調整していきました。



●ハイメ・カルモナ
多額の借金を返済するために、危険手当の多い特務部隊に志願転属してきた、という設定から、パイロットとしての腕前には自信のある少々ふてぶてしい感じの初期画稿となっています。



ここに紹介したのはキャラクター設定のほんの一部で、実際には体型から細かな表情まで何段階かの打ち合わせを経て決定稿となっていきます。製品版の各キャラクターと見比べつつ楽しんで頂けましたらと思います。
次回はインビジブル・ナイツのキャラクター設定をお届けする予定です。お楽しみに!