エフェクトへのこだわり |
[制作日記] / [2009-08-31 13:32:08] |
皆さん、はじめまして。「機動戦士ガンダム戦記」グラフィックデザイナーの
安本です。今回は、エフェクト制作におけるこだわりについてお伝えしたいと
思います。
モビルスーツが主役の本作では、エフェクトは脇役にすぎません。
しかし、アクションの気持ち良さや爽快感を演出する上で欠かせない存在として、
エフェクトの役割はとても重要です。
そのため、攻撃がヒットした時の達成感や爆発時の衝撃を映像から感じるような、
ゲームとしての分かり易さを重視しつつ、エフェクトとしての存在感を出すことを
重視して制作を行いました。
また、ガンダムゲームとして最も重要な「ガンダムらしさ」を損なわないように、
十分に心がけて制作しております。
それでは、具体的にどのようにエフェクトを制作したのか、
「爆発」を例に取り、説明していきたいと思いますので、まずは下図をご覧ください。
爆発はグレネードやキャノンなどの攻撃範囲を示すこともあるため、
有効範囲がグラフィカルに分かるように、なるべく形状が球体になるように制作し、
演出面とゲーム性が両立できるように配慮しました。
ただし、球体だけでは陳腐な映像になってしまうため、追加のエフェクトを周辺に
バラまいたり、発生時と消失時に別の形状の爆発を重ねたりなど、工夫しました。
また、地上と水中で表現を変えるため、水中用の爆発を別に制作しました。
形状や色味を変えるだけでなく、煙ではなく水泡が発生などの演出を行っています。
さらに宇宙では「ピンク爆発」を採用しています。
ガンダムファンなら周知の事実ですが、宇宙世紀の宇宙では爆発がピンク色なんです。
このピンク爆発については、かなり試行錯誤を繰り返しました。
普通に作ってゲーム画面に表示すると、あからさまに不自然な絵になるのです。
何度も直し、細かな効果や、色の変化などを工夫することで、
ようやく、ハイエンド機での表示に耐える「ピンク爆発」を作り上げました。
ガンダムらしさを表現する存在感のある爆発になっていると思いますので、
ゲーム上でご覧になってください。(宇宙に行けるのは最後の方ですが…)
こんなに苦労して作っても、表示してもすぐに消えてしまうエフェクトですが、
主役のモビルスーツにはできない、重要な役割を持っている脇役ですので、
たまには注目してくださると嬉しいです。
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