テイルズ オブ ヴェスペリア
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演出って宇宙なのか……
[制作日記] / [2008-08-04 18:00:19]

ナムコ・テイルズスタジオの伊藤正と言います。

今回、演出を担当させていただいたので、やはりここは演出について語ろう、と思ったのですが……
演出という言葉はなんとも掴み所が無く、曖昧な物で、何処から何を話せば? という感じです。

例えば……
「木の下に青年と犬がいます。彼はこれから何をしようとしているでしょう?」

1.「バカやろう」と叫ぶ
2.フレンチカンカンを踊る
3.木によじ登る
4.犬とたわむれる
5.何もしない
6.その他


よくある心理テストの問題です。
わざわざ選択肢になってますが、1〜5番を選ぶ人は僅かで、100人に聞けばおそらく50人は6番の「その他」を選ぶでしょう。また50人が選んだ「その他」という答えは、正確には「50種類の選択」と言えるかも知れません。

で、この人それぞれに持つはずの印象が「一つの印象」となるように誘導していくのが、演出という技法です。

と、物知り顔でエラソーに言っては見たものの、実際ゲームの中でどうこうしようとすると、これがとても難しいのです。

とある雑誌に「ヴェスペリア」が載っており、体験版を紹介した文章に、こう書かれてました。

「主人公の手前を兵士が通り過ぎていくというような3Dならではの演出がさりげなく挿入されている」

うおーっ!! 誉められている!!

そう、まさにこの「さりげなく」がミソなのだ! わかるかぁ、そうかぁ 感激だなー!!

え、 ……まてよ?
さりげないどころか、ガッツリ見られて紹介されているではないか!?

と、いう具合に、意識すれば失敗し、意識しなければ成功し、まるで、「見ると無いけど見ないと在る」の「量子力学」のような、行き着く果ては宇宙の真理か? とさえ思えてくるわけです。

ゲームに限らず、エンターテインメントというものは、いつもこんな不可解なものと付き合いながら生きてるわけで、自信満々で作っておきながら、あとから見ればドン引きしたり、逆にそこまで力を入れていなかった部分が高く評価されている、なんて作品も世の中には少なからず存在します(多分……)。

長くなってきたので、そろそろ〆ます。

今回の「テイルズ オブ ヴェスペリア」においての演出は、「全てが見所」というつもりで作りました。
これをプレイして頂いた方にとって、忘れられない一本になると嬉しいなと思います。




フェイタルストライクと合成
[制作日記] / [2008-08-01 18:31:20]

こんにちは、バトル担当の穴吹です。

暑いですね。
新宿にあるお店のカキ氷が美味しいらしいので週末にでも食べに行こうか思います。

それはそうと最近、雑誌や販促チラシ、PVやCMなどいろんなプロモーション展開でユーリたちを見かけます。

「こいつにどれだけ苦労させられたか……」と感傷に浸ったり「このキャラやっぱかっこいいなー」と改めて思ってみたりしますが自分の中で一番大きいのは「頑張って来い!」という親のような気持ちです。

もうすぐ発売です!




今回は、バトルを作っていく際に中心に見据えたフェイタルストライク(以下FS)と合成についてお話しようかと思います。

私が一番こだわった点でもあります。

FSは既に公開されているとおり特定条件がそろったときにボタンを押すと敵を一撃で倒すというシステムです。

特定の条件というは、敵を浮かせたり、ダウンさせたりというものでコンボをつなげたり、後ろから攻撃したりすることで条件がそろいやすくなります。

またFSは3種類あり、種類によって条件も変わってきますし決めたときにもらえるボーナスも変わります。

なので戦闘時にどうFSを狙っていくかでコンボの組み合わせが変わってきます。
これは「プレイする人によって戦い方が変わるように」という狙いがあります。

前回、スキルの話をした際にも触れましたが、ヴェスペリアのバトルは一貫して「プレイヤーによって遊び方が変わる」という部分を意識しています。





FSの演出については最後まで悩みました。
決めたときにスカッと爽快!という感じを出したくて、直前にブラー(残像処理)を入れたり撃破した際に専用のエフェクトやSEを入れたりしてやっと形になりました。

また上述した想いの他に「シナリオに依存しないで繰り返し戦闘をしてほしい」という狙いがありました。

RPGというゲームの性質上、シナリオがメインでありもちろん戦闘もシナリオを盛り上げる手段の一つとなります。

ただ、シナリオにとらわれず、戦闘を何回も遊んでほしいという想いから合成を取り入れました。

戦闘で倒した敵から素材をゲットし、合成で武器を作って武器からスキルを入手する。
この流れを入れることで、プレイヤーは目当ての武器(スキル)をゲットするためにいろんな場所で戦闘を繰り返すことになります。

またFSで敵を倒すことにより、そのボーナスとして素材のドロップ率があがったりスキルを習得するためのSPがアップしたりします。

こういうシステム同士のリンクも、今回意識しました。






これだけいろいろ語りましたが、実際は小難しいことは考えないでタイミングよくボタンを押すだけでFSは決まりますし、普通に戦闘をやってたら、ある程度素材が集まって合成でスキルが手に入ります。

買って頂いた方には、ただ純粋にヴェスペリアを楽しんで頂けたらと思います。
そしてみなさんの「この夏の一本!」になれば幸いです。

発売まであとわずか!ご期待下さい!
それではまた!




イベントシーンについて
[制作日記] / [2008-08-01 18:06:34]

こんにちは。イベントスクリプト担当の高橋です。

イベントスクリプトは、各個で作られていたキャラモデル、マップ、モーション、エフェクト、サウンドなどをイベントとしてひとつにまとめ上げる役割です。
最初から最後まで、演出担当と意見を交わしながら作業してきました。
周囲がドン引きするくらい、意見がぶつかったこともあります。

さて、私が思うイベントの見所ですが、キャラクターに命を吹き込むつもりで作ってきたので、キャラに注目して見ていただけたら嬉しいです。
エステルの見せ場ではエステルをかわいく! ユーリやフレンはかっこよく! したつもりです。

また、キャラクター心理の起伏にも気を配りました。動きや表情で、キャラクターの心理が読み取れると思います。



特に、普段はあまり表情を変えないユーリ。彼が感情の一端を表情にのぞかせることがあります。
キャラクターたちのさりげない動きや表情は、ストーリーを深いところまで理解する鍵となると思います。注目してみて下さい。


それから、HD対応などにより画面がきれいにくっきり見えるようになりました。
ええ、後ろのパーティキャラや、群集までくっきりはっきりと。

なんてイベントスクリプト泣かせなんでしょうか。見えすぎるせいで、作業量が1.5倍くらいに……
手前でしゃべっているキャラの奥で、他のキャラが反応しています。
たまに、何かが仕込まれています。


プロモーション映像でもお馴染みのあのシーン。
とてもいい雰囲気だったあのイベントで、いったい何が!?
カロルはパーティのお笑い担……ムードメーカーです。彼は動くと本領発揮ですよ。かわいがってあげて下さい。(いろいろな意味で)

発売までもう間もなく。どうかTOVを楽しんでいただけますように。
イベントもスキップしないで見てくださいね。



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