パティのキャラ構築 |
[制作日記] / [2009-09-15 14:30:22] |
こんにちは、シナリオチームのナムコ・テイルズスタジオの馬場です。
今回はPS 3版に登場するパティのことについて。
皆様に愛されるよう、キャラクターの造形にはいつも時間をかけ、紆余曲折しています。
パティに関しても、その例外ではありません。
とにかく、新キャラの追加には、問題が山積みでした。
何しろ、すっかり原因と結果がきっちり結びついたエピソードの狭間に、パティのエピソードを、違和感のなく入れなくてはならないのですから。
しかも、浮かないように、パティ自身の物語が、「テイルズ オブ ヴェスペリア」の物語と密接に絡み合っている必要があります。
さらに、こうして追加したキャラクターは「空気」として存在感のないものになってしまうおそれもあり、それをいかにしてちゃんと存在感を示せるようになるのか……
まだぼんやりとイメージを考えていた頃、パティは街の堤防に船をぶつけて壊し、海に落ちてずぶ濡れになり、おじいちゃんに怒られ、外に立たされているところを、ユーリたちに拾われるというそんなキャラクターでした。
でも、既にいる個性の強い「凛々の明星」の面々を前に、こんな情けない娘ではパティがかすんでしまう……
ユーリたちを食ってしまうくらいの強烈な個性が欲しい!
悩んでいたそんな時、天の声が。
「仙人にしてみたら?」
その結果、パティは沸点の高い、あまり怒らない落ち着いた娘になりました。
通常ならば、ここでツッコんだり、キレたりするだろうなぁという場面で、パティはマイペースにはぐらかし、流します。
立ち位置についても「エステルのライバルキャラ」になればなぁと思って設定しました。
ユーリとエステルの間に割って入り込む、カンフル剤として、パティ投入です。
果たして、どれほど効果があったか……それはプレイされてのお楽しみということで。
ちなみにパティの口調は、キャラを構想していた当時、見た映画と小説がどちらにも偶然に中国地方の方言が出てきて、それに影響されています。(実際は、パティの言葉は中国地方の方言ではないのですが。)
最初はかなり思いつきだったのですが、結果的にキャラ自身の魅力に、そして、彼女自身の設定とも巧く合致するように仕上がったと思います。
山積した問題もなんとか乗り越え、完成したエキセントリックなパティワールドをお楽しみください。 |
|
この記事のURL
http://0081.b-ch.com/blog/tov/archives/1911
|